やっぱり俺はこの子の事が好きなのだ

妻との出会いから子育てまで

サラリーマン金太郎

定時より三十分早く出社するように電車出たらもう全然満員ね。こりゃ肋骨折る奴いるわ。もう乗れないと思ってるとこに当たり前のように乗ってくるわ、わわ。でもまだ入る。網棚が開いてる。少なくとも一時間以上早く会社に着くように家出ないと満員電車は避けられないなとか思いつつ、ピンヒールで踏まれ、股間を弄られ、前の席に座ったリーマンがフケを落としたスーツを着てアイドル育成ゲームみたいのをやっているのを見つけた。30後半おっさん。こーゆー人見ると無条件に何かがどこかでおかしくなってしまったのは彼ではなくて俺の方の人生だなんて連想をしてしまうんだけど、いやしかしサラリーマン金太郎のごとく会社の便所掃除してる人が社長だったみたいな例、この人が実はアップルのCEOスティーブジョブズだったりしてと、住吉から東日本橋あたりまでの駅間ぼんやりと考えた末、「やっぱりそれはない」と決断を下した。だって七三だったから。残念ながら。だから彼は僕と同じサラリーマン。