やっぱり俺はこの子の事が好きなのだ

妻との出会いから子育てまで

三分電話

人生には終わりがあって時間は有限ではないとは言うけれど、やっぱりそんな実感はない。自分はいつまでも若いし、自ら死を選ばないうちは死なないように思っている。そんな事を考えた後、三分は短かったか長かったか思い出してみる。

38度の熱が出てあの子がダウン。「早く寝れ」というアドバイスは彼女の昼寝に打ち消され、返って来たメールの「眠れない」という文字に反応して僕は電話をかけた。過去にも同じような事があったなぁと思った時には既に遅し。微量の感傷。
ジョジョを読んでいたそうで、入れ替わりに眠る僕への寝物語としてジョジョを読んで聞かせてくれと言ったら断られた。
「治るかなぁ?」
「熱い風呂に入って厚着して寝れば風邪治るってタモリが言ってた」
タモリじゃいまいち」
「俺はタモリ通りにしていつも治してきたよ」
治るかなぁと言う声が初めて甘えたというか弱った声だったので何か引っかかった。


電話を切った後、メール。
「やまない雨はないし、冷めないピザもないし、かかとの減らない靴もない。のできっと治らない風邪もないはず。明後日も熱があったら無理して来ない事。おやすみ」
「様子見てキャンセルするかも。そしたらごめんね。去年の年末一ヶ月ずっと風邪引いて、その時は一生治らないんだって思ったけど治ったから今回もきっと治るはず。はぁー運動不足で体力ないと困るね」
そうだったのかと。ちょっと不安だったのかと。ぎりぎりの所で気づけて良かったと思った、のは、きっと大事に接せれているような気がするからだ。


明日は隣の部署の美女と二人でランチ。本当は正直に言うと男だから、隙あらば一発やってしまいたいのだけれど、「よいお友達」になろうと思うし、そもそも向こうはもとから「よいお友達」になるつもりだと必死に自分に言い聞かせる。


地元の子に旅行に誘われて、ついうっかり行くと言って今更後悔。答えた時は誰が特にという感じではなかったのだけど今はど−も違って来ている。あの時は全部こなしちゃうみたいな余裕を自分に感じたかった。今行ったら絶対きづつけてしまう。だから北海道にはこの子と行きたくない。(むしろ元気になったあの子と行きたい。てか行こう。あの子はロシアとか寒い所が好きなのだ)…断ろう


長い不況の時を抜け、空前のモテ期、というのは大げさか。でも本人にとっては大した問題で、もし僕が三人いるなら三人とも「やり逃げ」ではなく「やり続ける」形でそれぞれ付きあいたいのだけれど、残念な事に僕は一人しかいない。
何がこう事態をややこしくしているかと言うと、「彼女」がいないこと。そもそも僕は自分で言うのもなんだけど童貞臭い一途なタイプなのさ。
「早くその子とやっちまいな!」
とは、よく相談をするバイト先の既婚女性社員の台詞で、本当にモテる男は決断が早いのだそうだ。でもあの子は時間かけて納得の行く形で付き合いたいから、(しかも「付き合おう」的な台詞無しで付き合いたいから…嗚呼何だか青臭い!童貞臭い!)ちょっと時間がかかって決断も鈍ってくるってわけなんだ。
「おま、最低だな。特に地元の女に対して」
「や、でも楽しませてますよ」
「それは傲慢だよ」
って、違うんだ、そもそも僕は一途なんだ。(嗚呼言い訳だ、そしてくねくねしだした)、あの子と付き合ったらノロケブログを書こうとか思ってるんだ。「今日は彼女の○○に悶え死にした」とか書くんだ。そうなんだ。本当なんだ。でも一度にあれやこれやと降りかかってきて、考えるのがめんどくさくなってどーしていいかわかんないから全部やってしまえって思ったんだ。このやろう!なんなんだ!ちきしょー!めんどくせー!


甲斐性なし!!