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やっぱり俺はこの子の事が好きなのだ

妻との出会いから子育てまで

責任を負うがそれでもまだ自由だということ

国立新美術館に行きました。二人で。
マルコは水色とホワイトのストライプで流行のマリンテイストのワンピース。
靴は一緒に選んで買ったツモリチサトのやつを履いていた、*1
天気が良くて、強い風にあおられた自分の着ている白いシャツが羽根になって、飛べるんじゃないかって思った。
なんだか良い一日だった。

観る前に腹ごしらえ。バーでカレーを頼んだところで、タバコがないのに気づいて、店員に自販機の場所を聞いて行こうとすると、その店の顔なじみの客と思しき白人さんに声をかけられ、タバコを一緒に買いに行くことになった。
「タバコハナンデスカ?」
に始まる簡単な自己紹介のくだりで、
「仕事は何してるの?」
と聞いたら、
「警察ニツカマラナイヨウニシテル」
と自嘲するようにジョンと言う白人さんは笑って答えた。
彼が最低限の日本語を話せること、彼が人生に退屈していること。
それがわかった。
(気がした)
タバコ屋はしまっていて、タスポを貸したらタバコをおごってくれた。
「男が欲しくなったのか?」
といったような事をバーに帰ると連れの黒人が英語で言った。
「タバコおごって貰ったよ」
と店員さんに上機嫌に僕は報告した。
店員さんは、愛想よく笑った。
カレーを食って、握手をして別れて、会計の際、店員に
「タバコおごってもらったから、あっちにも一杯」
と言って多めにお金を渡そうとすると
「彼はお金持ちなの。いつもここにいるから」
と断られた。
持っている人間が入り浸るような店ではないと思ったし、売人か何かにしては上品だと思った。
あれは何をしている人だろうと気になった。


国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
さて、新美術館のアーティスト・ファイル2009―現代の作家たちには取り立てて感想もなく。
タダ券だからかさらっと見てしまった。
美術館のソファーから見えた、隣のビルの改修現場の足場の設置。
風が強い中、ジェンガみたく高く組んだ足場がゆらゆら揺れた。
命綱はない。
何かしらの仕事をし続けること、生きてくために稼がなければならないこと、高く積み上げられていく足場を見ながら漠然とそんなことを考えた。


その後、南青山まで歩いて、カフェで引越資金をためるための相談をした。
やっぱり結婚に対する責任や段取りはただただ面倒くさい!(先人が言うように)
でも、それを通過することで何かしら得るものがたぶんあると思う。
また逃げ出すことすらできるという意味ではまだ自由なのだと思い、少し嬉しくなった。(もちろん逃げ出さないけどさ)


少し最近窮屈になっていた。
なんとなく始めた副業が意外と金になってきていて良い流れではある。
会社でやれることをやって、勉強して、稼いで、貯金して、彼女が一時転勤(二年間しなきゃいけないの)する間に、会社辞めて俺は世界旅行をする。
いろんな国でいろんな人と話して、いろんなもの見て、その後はたくさんセックスをしてマルコと子供を作る。
自分と家族が喰うに困らぬ事業を始める。


「ちゃんと考えてるの?」


気づいたら、そんな目でマルコに見られていた。


コーヒーはやっぱりうまい!

*1:この時えらく感動された。「私の買い物に付き合って不機嫌にならなかった人は今までにいない!」と。