携帯とピッチ
嘘をついた。
よく嘘をつく。
「凸(゜皿゜)なんで昨日メールに返事くれなかったの?電話もなんで出ないの?」
次の日メールを返した。
前の晩電話に出なかった。
あった事実はそれだけ。
「携帯を会社に忘れて、ピッチもどこかに行ってしまった。今もない」
返したメール。
次のメールが遅いので、こちらから電話をかけ直した。
ピッチは本当にない。
メールは返答しなきゃと思いながらも忘れていた。
電話は少し出るのが億劫だった。
避けられる問題は避けたい。
一通りメールで送ったとおりの話をして問われる。
「携帯は会社に忘れたんだよね?」
念を押されるように聞かれて、考える。
ばれるような何かが?なにが聞きたいんだ?
だいぶ間が空いて「そう会社」と答えた。
やましいものを感じ取られたかどうかはあまりわからなかった。
嘘をついたのがうしろめたかったのかわからない。
明日車借りてドライブするのだけれど、不機嫌な感じで来られたら、もっと億劫になると思う。そういうもんだよね。
でも生憎、俺の予感を下回った事ないんだ彼女は。
俺が下回ってる可能性はある。
そうなってくると悪循環。
ちょっと駄目になったらもういいやってなりがち。
変なとこ完璧主義。
一度でも完璧でいられた事があったかよ。