やっぱり俺はこの子の事が好きなのだ

妻との出会いから子育てまで

退治されるものとしての鬼

ハロウィンなので何かせねばという思いから、「Trick or Treat」という本来の目的を忘れ、鬼の仮装を買って妻に着せ娘を説教する事にした。 仮装した内股の鬼に下記を要求させる。

「トイレに行こうと言われたら、すぐに行け」

「パジャマをすぐ着ろ」

「歯磨きをすぐしろ」

「上着と靴下を外出時は着ろ」

今日は2人きりの休日だったのだけど、四谷のおもちゃ美術館に行き、おままごとをしている最中にお漏らしをし入館30分でタクシーで帰った(まず俺がお漏らし塗れになり、娘も着替えがズボンだったことに激怒したため) そういう背景があったことで懲らしめたいと思っていた。

鬼が来た瞬間に激泣きし、要求したすべてを即答で飲み込んだ。

「おしっこする」

鬼が帰った後、少し震えながら即座に俺の手を引っ張りトイレに行った。

効果てきめん過ぎて気の毒になった。

トイレのあと、妻は娘を気遣い、お風呂に付き添いをさせ会話をした。

「お父さん入ってこないで」

と普段なら娘に言われる所、今日は素直にお父さんも「入りなよ」と言ってお風呂場に招き入れてくれた。 その声が小さくて、悪い事をした気分になった。

考えてみると、子供に要求を飲ませたいから鬼を使うことは、大人に要求を飲ませたいからヤクザを使うことと同じだなと。ヤクザなら法的に対処ができる可能性があったとしても、子供が鬼を対処することは難しい。

「でも節分の時はいいと思う」

と妻が言った。 俺もその時はいいと思った。 なぜなら、豆を撒かれたら娘も鬼を退治できるから。

ちょっとやり過ぎたなと反省した一日でした。