やっぱり俺はこの子の事が好きなのだ

妻との出会いから子育てまで

感謝

「あなたの駄目なところは、愛されているのも許されているのもわかっていて、それに甘えているところ」
あの頃とは違いますよと言いかけて辞めた。
胸を張って言えるほど、変わっちゃいなかったから。
「見返りとして何かを与えないと」
SMクラブで女王様として働いていた先輩の言葉。
その横で先輩の元同僚が顔を赤くしていた。
新宿。
二人とも大変お世話になった。
先輩はこの春結婚する。
婚約期間が3年と割と長かったのは、一度破談になりかけたからで、自分もその原因の一つだった。
恋仲にはない。
だから結婚の話を聞いたとき、何だか長いトンネルを抜けて、そこに晴れた空が見えたような気分になった。旅の途中。
彼女を引き合わせるのは初めてで、のっけから
「ほんとコイツは辞めたほうがいい」
との駄目だしから始まり、若干人見知りをしない彼女も対応に困っていた様。
自分としても過去を知る人間に、過去は消せないという意味でも反論できず。


右だ左だ安保だ小林だ、そんな話をルブランでした。というかされた。


ついていけず。


たぶんこうして少し変わったのは今年狭き門をくぐってオートレーサーになった友人のおかげ。経験人数が増えるごとに、顔をしかめた友人。彼女がどれだけ自分の人生の頼りになったかという話を恥ずかしげもなく話し、結婚する日付も何年か後の手帳に記しているような友人。(メールアドレスも○子大好き@的なのり)
つらいとき相談に乗ってもらった。勝負の世界に入りたいと聞いたとき、その真っ直ぐさなら、たとえ一度もバイクに乗ったことがなくても試験に受かるような気がした。現に受かった。


これから自分が他人にどれだけ何かを与えられるかということを意識したのは、隣に彼女がいたからということばかりであるまいに。


いろんな人に感謝したい。


彼女が席をはずしている時
「女運いいね。もちろんあの子がいる時には言わないけど」
と言われた。


そう思う。