やっぱり俺はこの子の事が好きなのだ

妻との出会いから子育てまで

母の日の花


そういえば就職した事もまだ両親に伝えていない。
親孝行しようという気持ちに、いつまで経ってもならないので、とりあえず形式的に、母の日が近いので花でも送ってみる事にしてみた。何もしないより何かした方が良い、そんな発想。初めての試みで、あわよくば孝行心の一つでも湧いてくれればという心つもりもあった。
青山フラワーマーケットのサイトに登録をして、花を選んで、クレカ番号を記入する。無料で短いメッセージをつけられるというので、よく考えもせずに入力をする。
「お疲れ様。お父さんにもお疲れ様と。あとラム(猫の名前)にも」
送り先の実家の住所をキーボードで入力しながら、花が届いた時の母の姿を想像すると、そこに父や猫がいた。遠い居間の風景。
無味乾燥した入力作業はやはり親孝行では無いなと確認する。いつまで経っても親不孝な事に自発的な孝行心は湧いてきそうにない。でも、たぶん、今の僕がそんなに間違ってはいないと思えたのは、居間にいた母が笑顔で少し嬉しくなったから。
未だ届いてないし、本当に勝手な想像なのだけれど。
でも少しだけ胸が温かくなった。本当だ。